宇宙サラダ

ひたすらどうぶつの話します

逆子の出産はなぜ帝王切開なの?なぜマナティーの出産は逆子でも平気なの?!

こんにちは!!!メセグリンです!!!

とつぜんですが、今日は出産の話をします。

逆子の赤ちゃんは帝王切開で産まれる。という話をきいたことはありますか?

多くの赤ちゃんはお母さんのおなかの中で頭を下にして、さかさまの状態で、誕生のときを待っています。けれど、たまに産まれる前になっても、頭が上、足が下の状態でスタンバイしている赤ちゃんがいます。「おれは常識にとらわれない」と言っているかのようですね。これを逆子(さかご)といいますよね。

逆子の赤ちゃんは帝王切開(ていおうせっかい)つまりおなかを切る手術をして産むのがほとんどなのだそうです。なぜでしょう?!

すごい気になったので調べました。
わたしが理解したのはつまりこういうことです。*1

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  • 赤ちゃんがスタンバイしている子宮は骨盤に囲まれています
  • 産道を通過して出ていくとき一番の難関になるのは、骨盤の出口を通過するところです。骨はほとんど伸び縮みできないので
  • 赤ちゃんの体で一番大きいのは頭です。頭さえ通過すれば、出産はほとんど成功です
  • 逆子の場合、足がはじめに出てきて、最後に頭が通過することになります
  • 体は外に出たまま頭が骨盤にひっかかってしまうと、へその緒が頭と骨盤にはさまれ圧迫されてしまいます
  • へその緒は栄養や酸素を赤ちゃんに供給する役割がありますが、圧迫されると酸素が届かなくなります。同時に、まだ頭が外に出ていないため、赤ちゃんは口で呼吸することもできません
  • この状況が長く続くと大変危険です。こうなることをあらかじめ回避するために帝王切開することが多いようです*2

わたしたちヒトをはじめ、多くの哺乳類にとって出産は一大イベントです。特にヒトの場合、二足歩行するようになったため骨盤の出口が小さく、しかも脳が大きくなるよう進化したので赤ちゃんの頭が大きいというダブルの困難をかかえています。だから、母親は相当の苦労をして子どもを出産するというのはみんな知っていますよね。逆子だと、もっと難しくなるということです。

さて、ここからはマナティーの場合の話をします。マナティーとヒトでは、ちょっと状況がちがいます。

マナティーの大きい赤ちゃん

マナティーはめっちゃでかい赤ちゃんを産みます!!

産まれるときもうすでに1mもあるそうです。体重は30kgにもなるとか。。
ヒトの赤ちゃんの大きさは、お母さんの大きさの比率で考えると、哺乳類界でも相当大きい方ですが、マナティーはその数倍もあり、動物界トップクラスです!!

どうしてそんなでかい赤ちゃんを産めるのかわかりますか?!
ヒントはすでに紹介しました。出産のとき難関になるのは、骨盤から出てくることなのです。

マナティーには骨盤がありません〜〜〜!!!!
退化しました。うしろ足といっしょにね。

マナティーの場合、産道が骨に囲まれておらず、柔軟な筋肉組織に包まれているだけなので、胎児を大きく育てられるというわけです。

そう考えると、ヒトの母親は動物界でも屈指の苦しみを経験するといっても過言ではないかもしれません。

マナティーの逆子の赤ちゃん 

骨盤がないということは、出産にかかわるルールがわたしたち人間と大きくことなる可能性がありますね。

マナティーは半分くらいの確率で逆子の赤ちゃんを産みます。じつはこれ、驚くことではありません。イルカはもっと圧倒的な確率で逆子の赤ちゃんをうむのです。つまり尾びれから先に赤ちゃんが出てくるのです。

水でくらす動物は、わたしたち人間と異なるルールがあるようです。

 

 

ところで話かわりますが、どうぶつの出産について以前からどうしても納得できないことがありました。

ジャイアントパンダの出産です。

ご存知のかたも多いかもしれませんが、ジャイアントパンダは有胎盤*3の中でも突出して小さいこどもを産むことで有名です。あんな大きいパンダが、ネズミのように小さく目も見えない非力な赤ちゃんを産みます。

それなのに、めちゃくちゃ出産で苦しむのです!!
出産がながびいて母親が死んでしまうケースもよくあるそうです。ジャイアントパンダには無礼を承知でいいますが、なにがそんなに苦しいんだろう?!と思ってしまいます。。。ヒトのように巨大な頭をもった赤ちゃんを産むというわけではないですから。

たぶん、わたしたちが知らない、出産をむずかしくする構造があるのかもしれません。

マナティーの出産の話は、マナティー界のレジェンド「ジェシー・R・ホワイト」による本にくわしくあります。マナティー好きにはめっちゃおすすめできます。

 

*1:骨盤位 - Wikipedia

*2:逆子の自然出産がすべて危険になるというわけではないと思いますし、帝王切開が安全というわけでもないと思います。現状では、帝王切開のほうがリスクが少ないと多くの医師が判断しているという状況だと思います。わたしは専門家ではないので、厳密なことを知りたい方は産婦人科の先生に確認ください。

*3:胎盤をもつ動物。ざっくり言うと有袋類以外の哺乳類