なぜイルカの赤ちゃんはしっぽから産まれるの?
こんにちは!!!メセグリンです!!!!!
今日もこりずにマナティーの話かい!!やれやれ!!と思ったあなたに朗報です!!今日はイルカの話をします!!!!!!
前回、どうして逆子の赤ちゃんのほとんどは帝王切開でうまれるのか、という話をしました。そして、マナティーの赤ちゃんは半分くらいの確率で逆子で産まれてくるということも紹介しました。(逆子の出産はなぜ帝王切開なの?そしてなぜマナティーは逆子でも平気なの?!)
じつは、イルカの場合、ほとんどの赤ちゃんが逆子で産まれてくるのです。
尾びれから産まれるのがふつうなので、もはや「逆」ではありません。イルカにとっては頭からうまれるのが逆子だといえますね。
でも、なぜイルカはしっぽから産まれてくるのでしょうか?
今までいくつかの説明を見てきましたが、どれも次のように説明しています。
イルカは水中で出産するため、頭から先に出てくると息できなくておぼれちゃうから!!!!!
たしかに!!!!
と思われるかもしれませんが、わたしはこの説明では納得しません。
だって、頭から先に出ようが、しっぽから先に出ようが、どっちも息できないんです!!!!
赤ちゃんは、へその緒をつうじて酸素をもらってるので、じぶんで呼吸しなくてもいいようになってるのです。だから、どっちから先に出ようと、へその緒がつながっているかぎりおぼれてしまう心配はないのではないかとわたしは思います。
事実、たまに頭から産まれてくるイルカもいるようだし、はじめに紹介したようにマナティーの半分は頭からうまれてきます。水中でこどもを産む動物といえば、ほかにカバがいます。カバも基本的に人間と同じで頭から産まれてきます。
つまり、水中でも遠慮せずに頭から産まれてきていいんだよ、ということです。
でも、なぜイルカはしっぽから産まれてくるのでしょうか?!?!(2回め)
調べましたが、残念ながら、真相はわかりません。。。
もしかしたらこれは、多くの人が見落としている「謎」かもしれません。
出産や子育てにかかわる行動は、自然界ではこどもの死に直結するので、大きな淘汰の圧力がはたらいているはずです。うまく出産させることができない動物は、うまく出産できる動物に負けて絶滅しちゃうわけです。そう考えると、イルカもおおむかしは地上のどうぶつと同じように頭から産まれていたけれど、あるとき、しっぽから産まれてくる方が安全になった転換点があり、そういうイルカが生き残ったのだと考えることができますね。*1
海で出産するとき、しっぽから出産するとなぜ安全なのか。残念ながらそのこたえはわかりませんが、生物のしくみについては、このように一見わかっていそうなことでも、わからないことだらけなのです。
*1:イルカやクジラの祖先といわれるプロトケトゥスはかなり水中に適応した生活をしていたと考えられているが、どうやら出産するときは地上にあがって産んでいたようだ。それを示す証拠のひとつとして、妊娠した状態の母親の化石が見つかっており、その化石では赤ちゃんが頭から出てくるようスタンバイしていたのだ。つまり、イルカは海に少しずつ出ていく進化のある時点で、頭からではなくしっぽからうまれるようにきりかわった可能性が高い。New Protocetid Whale from the Middle Eocene of Pakistan: Birth on Land, Precocial Development, and Sexual Dimorphism