マナティーは水に浮くのか?沈むのか?カナヅチって本当はすごい才能?!
こんにちは!!メセグリンです!!!
今日もマナティーの話がとまりません。誰かとめてください。
マナティーのきもちを理解するために、わたしがもっとも気になったことのひとつが、「マナティーは浮くのか?沈むのか?」そして、「浮きたいのか?沈みたいのか?」ということです。
はっきりしたことはわからないのですが、様々な情報を集めて、わたしが導きだしたこたえをここでのべたいと思います。
浮力とはなにか?
そもそも、どうしてわたしたちは水にぷかぷか浮かぶのでしょうか?それは浮力があるからです。水にもぐろうとしても、うかぶように押し戻される力が浮力です。ところが、ある一定以上の深さまでもぐると、肺の中の空気が圧縮されて浮力の力がよわくなり、やがて重力の力がうわまわって、まるで落下するように沈んでいくポイントがあります。ダイバーたちにはよく知られている現象で、フリーフォールとよばれます。
この特徴はつまり、つぎのようなことをしめしています。
- 潜水するときは、もぐりはじめが一番きつい
- ある程度の深さまで潜ると、こんどは浮かんでいくのがきつい
マナティーはどうやって沈むのか?
みんなも潜水をやってみた経験があるかもしれませんが、もぐりはじめってきついですよね。マナティーは数分おきに息継ぎしないといけないので、あのきつさを何回もくりかえさないといけないんです。1日終わったらへとへとになってしまいそうです。
マナティーは深いところまで潜水する動物ではありませんが、それでももぐる必要がありますから。川底の草を食べたりね。
そこでマナティーは、このきつさを軽減する仕組みをもっています。その名も…
オステオスクレローシス!!!!
必殺技のように言いました。
osteo(オステオ)というのはギリシャ語に由来する「骨」をあらわす言葉で、sclerosis(スクレロシス)とは、硬くなる現象のことをさします。sclerosisといえば、Atherosclerosisは有名で、動脈硬化の英名です。
オステオスクレローシスとは、その文字どおり、骨がめっちゃ硬くなり、重くなる現象なのです。*1
人間でも骨硬化症といって、オステオスクレローシスを発動する病気があるそうです。骨が硬くなるのはいいことのようにもきこえますが、かたくなりすぎると折れやすいのです!骨にはコラーゲンが多く含まれ、これが骨を柔軟に折れにくくしています。かたさとしなやかさのバランスが折れにくさの秘訣だったわけです。
マナティーにはオステオスクレローシスが見られます。おそらくかれらはつよい骨をあるていど犠牲にして、骨を重くして沈みやすくする道を選びました。マナティーはオステオスクレローシスを潜水するときの「重し」としてつかっているのです!!
つまり、マナティーはカナヅチなのです!!
ずばり!!マナティーは水に沈むのではないでしょうか!!
カナヅチな動物たち
水に沈むことで有名な動物には、カバがいます。カバは、湖の底をてくてくと歩くように泳ぎます!!そんなことができるのは、体の構造に、潜水の重し*2があるからにほかなりません。
Most Amazing Hippo RUNNING, WALKING and SWIMMING Underwater
実際、カバにもオステオスクレローシスやそれと似た骨密度を爆上げする能力があるそうです。*3*4
哺乳類界最大のミステリーのひとつ、クジラはどのように進化したのか?の鍵をにぎるのはカバです。DNA解析の結果、現存の哺乳類のうちクジラにもっとも近縁な動物はカバであることがわかりました。この事実は、衝撃的なもうひとつの事実を示していると思います。
クジラはカナヅチ動物から進化したかもしれないということです!!
この話は別の記事でしゃべりまくります。
しかし刑事さん。マナティーは哺乳類なので、水面に出て呼吸しなきゃならないじゃないですか。そのとき重い骨は浮かぶのに邪魔なんじゃないですか?
はたして、数分おきに呼吸しなければいけない動物が、ほんとに沈みたいなんて思いますかね?
つづく
*1:https://en.wikipedia.org/wiki/Osteosclerosis
*3:Hippopotamus Underwater Locomotion: Reduced-Gravity Movements for a Massive Mammal https://academic.oup.com/jmammal/article/90/3/675/876592